忘れ得ぬ人たち

昨日の晩、NHKで「あるダムの履歴書」という番組が放送されました。
かつて学生だった頃、卒論に選んだのがアイヌ文化で、その時のことを怒濤のように思い出しました。
あの頃ものすごい「人に会う運」が強かったらしく、物見遊山気分で行った萱野茂さんのうち(横の博物館に行ったら萱野さんにあがっていきなさいと声をかけていただいた)に初対面のくせに上がり込みその上ご飯までごちそうになってしまいました。萱野さんの田んぼで取れた米はおいしかった。(ずうずうしい)

学びたい、と言う人にはあくまでも胸襟を広げ、惜しみなく伝えるその姿に感銘を受けました。萱野さんはとても雄弁で、伝えたい事をわかりやすく、しかも心の奥にしっかり届くように話すのです。それは長い年月、苦難の人生を重ねた事で培われたのでしょう。へらへらしてる自分が恥ずかしくなりました。アイヌ民族の望まれる資質に、「雄弁である」というのがあります。文字を持たず、口伝えで伝承や知識を次世代に繋げて行った時代を知る最後の世代という感じでした。萱野さんは心に届く言葉を美しく話せる、まさに「アイヌネノアンアイヌ」(人間らしい人間)だったなあ、と思います。

卒論の時に、貝澤珠美さんにも出会いました。二風谷ダム訴訟原告の貝澤正さんのお孫さんにあたる方、ということを会ってから知り相当驚きました。すごい素敵な方で(私の貧弱な語彙では彼女の魅力を伝えきれない)今でもアイヌ紋様をおしゃれに使えるようにいろいろとデザインする仕事をしています。普段とてもおしゃれな普通のお姉さんですが、おじいさんの教育のおかげで、すごい勢いでアウトドアのスキルを持っています。普段は都会で暮らしていても、時々山などを歩いて自分を取り戻すのだ、ということを聞きました。おじいさんと子どものころいっしょに道産子で3月頃の山に登り、白樺の樹液を飲んだりした、という話を聞いてすごいなあと思ったものです。今日びなかなかそういう体験してる若い人は居ないですよね。
昨日の番組の最後の方で、伝統的な衣装に身を包んだ彼女が、二風谷ダムに水がたまって行くのを見ながら、「変わってしまった・・・・」と呟く姿が映っているのが、美しくて悲しくてどうにもやりきれない気持になりました。普段の彼女は、ひまわりみたいに明るく、みじんもそういう切なさみたいなのを感じさせないのでなおさらそう思えたんじゃないかなと思います。

せっかく勉強したのに、全然違う仕事についてしまいましたが、この人たちに会えた事は私の中でおおきな糧になっています。もし、私に出来る事があるのだとすれば、こんな素敵な人たちがいるのだ、という事を誰かにまた伝える事なんじゃないかな、と思ったりします。

2010.02.08 | | Comments(2) | Trackback(0) | 未分類

ひかりのはる

ロシアでは2月のことを光の春というのだそうです。
この三日間ほど冬将軍が頑張ってくれちゃったおかげで、函館山はふんわりと白くコーティングされ、このようなきれいな状態を久しぶりに見たなあ、と思いました。居ても立ってもいられないので、二日連続で登って来ちゃいました。

昨日は、空の向こうにこれまた踏んだらキュッと音がしそうな冷たい雪雲がもくもくと連なっていましたが、昨日の夕方、とても強い風が吹いて冬将軍を押し戻したのか、今日の雪は少し水気を含んで重くなり始めています。青い空がまぶしい。
0206.jpg
12月に山に登って来たときより、太陽の光に力強さみたいなものを感じます。雪焼けに注意しないと。小学校の頃はスキー三昧だったので、冬場一日スキー場にいると、目が紫外線にやられて大変な事になっていました。運動はスキーくらいしかできなかったので、冬の方が黒かった記憶があります。

山道のそこここに、けっこうでかい雪だるま(らしきもの)がありました。どれも作った後暖気で溶けて、その上にこのあいだの雪が積もってすごい不吉な感じ。この写真のは特に、目鼻を付けたところ怖さ倍増しています。かわいかろうと思ってつけたんなら逆効果だよ、と教えて差し上げたくなりました。モアイみたい。
kowadaruma.jpg

今日は薬師山のあたりでひきかえしてきました。かつて田本研三(土方歳三の写真を撮った人)が明治政府の命令で函館のパノラマ写真を撮った地点の写真です。かつては木がぜんぜんなかったので、ここからのながめは素晴らしかったのですが、今は柏の木が視界をちょっと遮っています。
100207.jpg



顔に当たる光の暖かさに、春は着実にやって来ている事を知らされました。水道は凍るし寒いし事故が怖くて車にのりたくないけど、それでももう雪の季節が終わりに近づいているのはほんのすこし切ない気分になります。

2010.02.07 | | Comments(0) | Trackback(0) | 頓散歩

当たり前の事が当たり前にできる喜び

また寒さネタですみません。今日はトイレが凍ってませんでした。(でも室温マイナス一度)水が出たー!と一人で大げさに喜びながら、インフラが整っているってありがたいんだなあ、と心から思いましたよ。

今こうして日記が書けるのも電気があるから、北国においては電気がなかったら生きて行けないと思います。ほとんどの暖房器具は灯油の他に電気を使いますしね。最近おしゃれな薪ストーブが流行っていますが、あれはお金持ちじゃないと維持できません。(一冬に使う薪の量は莫大で、すごい場所をとります)
昔、暖房も調理も薪しか使えなかった時代は、函館山は禿げ山でした。みんなが薪をとりに来ちゃうからです。暖房も防寒も対したものがなかった昔(今よりもっと寒かった)みんなどうやって冬を過ごしていたのか考えるだけで震えが来ちゃいますよ。意外と人間がタフだったんですかね?

店に来る途中の道に、太陽光発電の大掛かりな装置を庭に設置しているお宅があるのですが、今日は雪に埋もれていました。田舎は交通網もあんまりよくないので私は車で移動が多いし、北国はエコ発電向きじゃない・・・・・・

寒い事に文句たらたらっぽいですが、昨日は露天風呂で髪の毛と手ぬぐいを凍らせて喜んでいました。寒いのは意外と楽しい事もあります。凍った手ぬぐいと湯気の向こうにオリオン座が光ってました。
明日吹雪がやんでいたら、厳冬の函館山散策をしたいと思います。

2010.02.05 | | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

氷の世界

(このタイトルで井上陽水がうかぶか筋肉少女帯を思い出すかでトシがばれます。知らない人は全然知らない)

昨日は店が休みだったので家でフェルトなどを作ったりしておりました。店が始まって以来の寒さだったので、心配してたのですが、とうとう店の中の気温がマイナスになり、水道が凍結しないように水を抜いて帰ったのに、水の元栓が遠いトイレが凍り付いてました。便器の中の水が凍ってます!びっくり!!!
気をとりなおして掃除をしようとぞうきんに手を伸ばしたらぞうきんもカッチカチでした。ということは、帰宅前に一度ぞうきんがけをした、そのぞうきんが乾く間もなく凍っちゃったということです。おそろしい・・・・

寒いのは嫌いじゃない(でも室温が低いとすぐに死ぬ北海道民です)ですがトイレが使えないのは困る。超困る。

というわけで本日ご来店のお客様、万が一催されてもトイレをお貸しできません。ごめんなさい。

尾籠(というほど汚くもないけど)な話なんできれいな雪山のイメージ画像でも
DSCF1566.jpg


今日早朝は天気がよかったんで登りたかったんですが、なぜか家事がてんこもりだったのであきらめました。くやしいので温泉でも行って露天で髪の毛を凍らせてこようと思います。マイナス10度を切るとわくわくするのはやっぱり子どものころ寒さの厳しい富良野にいたせいでしょうか。寒さ自慢をすると、私が体験したいちばん低い温度はマイナス36度です。日本酒も凍る寒さですが、すごいきれいな世界が展開するので私は好きでした。まあ、学校の始業時間が一時間遅れるんでそれもあったんですけどね。

水抜きをしていても凍ることがあるので、朝通水してちゃんとでたときは「北の国から」っぽく大げさに喜ぶのが朝の儀式だったりします。

2010.02.04 | | Comments(0) | Trackback(0) | 未分類

わたしのたからもの

最近いろいろとあって落ち込んでたんですが、友人達のおかげで少しずつ立ち直って来てます。
お金に換わるものをほとんど持たない私ですが、財産と呼べるものがあるとすれば、私の周りにいる人達なんだなあ、(あ、別に売り飛ばすとかそういう意味じゃないですよ)としみじみ思った凍れる夜でした。本当にすごい人達が周りにいるので、その人達にすこしでも近づけるように努力しなくては。
私はまだまだだ。いろんな意味で。

今日ご飯を食べて来たところが、こぢんまりとしていながらもすべてが素晴らしい店でした。何となく入った店があたりってのはとても嬉しいですね。わたしはあんなに柔らかい鴨を初めて食べましたよ。本当にいい店でした。
厨房も動線が見事に考えられていて、きちんと片付いていて隅々まで綺麗。そういう店ってなかなかないのですよね。店を出るちょっと前に、店長が厨房を掃除するのが見えましたがその手際のいい事。
ともすれば身の回りがカオスになりがちなので、ああいう風にきちっと片付いた店には死ぬほど憧れます。
身びいきみたいになりそうですが、そういうお手本が身近にものすごく沢山あるのに、自分には出来ないと思ってました。出来ないんじゃなくてしないだけ。ちゃんとやれよって自分に言いたくなりました。

今日行ったお店、このブログはお店紹介ブログではないので秘密にしておきますが、どうしても知りたくなったらこっそりコメントかメールで聞いてください。ああ、鴨の下仁田ねぎソース。たこ飯の焼きおにぎり。忘れられなそう。

2010.02.03 | | Comments(3) | Trackback(0) | 未分類

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